2011年 登り窯の様子

内原野『連房式登り窯』について

2011年2月、安芸市 内原野陶芸館の『連房式登り窯』(れんぼうしき のぼりがま)で登り窯の窯焚きが行われました。
『連房式登り窯』とは
古来、日本で最も多く使用された窯式であり、江戸時代初期(1600年)以後、九州備前唐津より尾張・美濃(愛知・岐阜県)地方に伝わり、その後全国各地に広がりました。
安芸市、内原野では江戸時代の終わり頃(1830年代 )に地元の材料と技術により築窯され、陶器の生産が始まりました。
山の傾斜面を利用し築窯された江戸時代の窯は最近まで使用されており、現存する登り窯は内原野に3基あり、その1つは登録文化財として大切に保管されています。
陶芸館に新しく復元されたこの窯は大口(焚口)と3つの部屋があり、焼成時間は約30時間かかります。大口(焚口)で約24時間焼くと、火は上の部屋に伝わり、一の間、二の間と順番に1300度近い温度まで焼き上げます。三の間は素焼(800度 )の部屋として使用します。
燃料は火力の強い山の松が最適であるが、現在では入手が困難でヒノキや杉等の薪を使用しています。薪の灰は1200度以上の高温になると美しいガラス状の釉薬に変化し、灰かぶりや焼締等、登り窯独特の焼き物を生み出します。そして今もなお多くの愛陶家や作陶家によって、日本陶芸固有の伝統技術は守り続けられています。

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